医療行為とは何かを言うことを問い詰めると,「病気や怪我の苦痛を取り除くこと」「病気や怪我を早く治すこと」の二つに尽きるだろう。これについては恐らく,異論はないと思う。この意味で,「苦痛を与え」「回復を遅らせる」行為は反医療行為とみなしていいだろう。
しかし,現在の日本の医療現場(そして世界中の医療現場)では平然と日常的に,その反医療行為が行われているのだ。それが「傷を消毒してガーゼをあてる」行為だ。「傷を消毒し,ガーゼをあてる」ことで,傷の治癒を遅らせて患者さんに経済的損害を与え,無用の身体的苦痛を与えているのだ。すなわち,医療行為として行われているものの中で最も意味がなく非科学的で野蛮な行為といえる。
そこで「消毒とガーゼ」にかわる新しい創傷治療を紹介する。それがとりもなおさず,患者さんの利益になることだからだ。「消毒とガーゼ」のような患者さんに苦痛を与えるだけの馬鹿げた治療(・・・もしもそれが「治療」と呼べるのであれば・・・)が一日も早く撲滅され,患者さんがこの無用の苦痛から逃れる日が来ることを切に願っている。
(ホームページ「新しい創傷治療」
http://www.wound-treatment.jp/より引用)
略歴
1957年,秋田県生まれ
1984年,東北大学医学部卒業。日本形成外科学会認定医
2003年4月,特定医療法人慈泉会 相澤病院 傷の治療センター長として赴任
2007年7月,石岡第一病院 傷の治療センター長に赴任
2008年,日本形成外科学会認定医(専門医)を勝手に放棄
著作
・【これからの創傷治療】(医学書院):2003年7月
・【創傷治療の常識非常識】(三輪書店):2003年12月
・【さらば消毒とガーゼ<うるおい治療>が傷を治す】(春秋社):2004年12月
・【創傷治療の常識非常識2 −熱傷と創感染−】(三輪書店):2006年1月
・『ドクター夏井の外傷治療「裏」マニュアル すぐに役立つHints & Tips』
(三輪書店):2007年5月
・『キズ・ヤケドは消毒してはいけない「うるおい治療」のすすめ』
(主婦の友)2008年1月